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最近では高画素のデジタルカメラが普及し、趣味のレベルでは十分な性能を発揮しています。しかし、色彩に厳しい本格的な撮影には資本とカメラマンの技術が必要です。特にジュエリーなどのマクロ撮影やモデルルームの撮影では、標準レンズでは対応できず、専用の高価なレンズが必要となる場面が多々あります。1本数十万円もするレンズを一般の方が揃えるのは困難です。さらに、レンズ以外にも照明機材やカラーマネージメント用のハードウェアとソフトウェアも必要です。
印刷に使用する写真の場合、照明のセッティングやカメラ・レンズの知識に加えて、製版や印刷に詳しいカメラマンに依頼しなければ、高品質な仕上がりを期待することはできません。デジタル撮影はデータを直接取り込めるメリットがある一方で、カラーマネージメントの知識が不可欠です。ホワイトバランスを取れば正確に撮影できると思われがちですが、色調はホワイトバランスだけでは制御できません。同じ光源でも、使用するカメラ本体やレンズによって得られるデータの色調が異なります。これを現物と同じ色調に再現するためには、豊富なノウハウが必要です。 |
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商品撮影をご希望の場合、大規模なスタジオ機材を使用するよりも、必要な機材を現場に持ち込んで撮影する方が費用も抑えられ、お客様にとっても便利です。
撮影にはストロボや高演色照明を使用し、完璧なホワイトバランスを設定します。ヒストグラムを確認しながら調整し、RAW形式で撮影を行います。撮影後は専用のRAW現像ソフトを用い、レンズと照明に合わせたカメラプロファイルを使用して色彩のばらつきを最小限に抑えたRGB画像を作成します。
ジュエリーなどのマクロ撮影から、高さ5メートルを超える彫像や絵画などの美術品まで、忠実にデジタル化することが可能です。 |
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レタッチとは、写真データを加工・修正する作業のことを指します。明るさや色調の補正に加え、画像の一部を消したり、加えたりすることも可能です。
例えば、建築物の前を遮る電柱や電線を消したり、モデルの肌のくすみを取り除くことができます。美味しそうなステーキの写真に湯気を立てる場合、湯気の画像を合成することが多いです。これにより、料理が湯気に隠れることなくはっきりと見え、湯気がシズル感を演出します。また、商品の背景や影も自在に変更することができます。一般広告に利用される写真のほとんどにはレタッチが施されており、見る人が気づかないところでレタッチ技術が活用されています。
さらに、近年ではCADデータを基にした3D画像から、実写と区別がつかないほどの画像を創り出す技術が進歩しています。
「こんなことはできないか?」「こんな表現をしたい!」といった疑問やご要望がありましたら、ぜひお気軽にご相談ください。 |
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印刷用の画像を制作する際には、トリミングや補正を行った後、デジタルカメラのRGB画像をオフセット印刷に最適化されたCMYK画像に変換する必要があります。
4色への色分解は、一般的なソフトウェア(例えばPhotoshop)で単純にCMYK変換を行うだけでは不十分です。RGBを単純にCMYKに変換すると、画像がメリハリに欠け、色校正を行った際に明らかに色が変わってしまうことがあります。印刷で表現できる色域は限られていますが、できるだけ彩度を保ちながら変換することが重要です。
また、シャープネスの処理は、レイアウトソフトで配置する画像の大きさに応じて調整します。アートプロでは、専用のRGB-CMYK変換ソフトを使用し、独自のノウハウを組み合わせて、デジタルカメラの画像をオフセット印刷に最適化したCMYK画像に変換しています。
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